ジブリの数ある名作の中でも一際鮮やかに輝く「天空の城ラピュタ」。
美しい風景、壮大なスケール感、登場人物たちの魅力が、私たちを冒険の世界へ引き込みます。しかし、その表面上の魅力だけでなく、構築された世界観の奥深さ、キャラクター設定の巧みさにも焦点を当ててみましょう。
主要キャラクターの裏設定から物語に隠されたメッセージ、予測困難なトリビアまで、これまで知らなかった「ラピュタ」の世界へあなたを誘います。
新たな視点からの「ラピュタ」解説、あなたの心を再び躍らせること間違いなしです。
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魅惑の悪役、ムスカの秘密と裏設定
ムスカとは、『天空の城ラピュタ』の魅惑的な悪役。一見紳士風でありながら、その本性はラピュタ王として世界を支配しようとする魔性の野心家です。彼の非常に目立つ特徴の一つがそのスタイリッシュなサングラス。しかしそれには深い理由が隠されていました。
ムスカはラピュタの血の色濃く受け継いだ弱視者で、そのサングラスはその症状を隠すためのものなのです。
彼の瞳の色素は薄く、製作段階での設定では金色の瞳を持つと記載されています。
有名な滅びの呪文「バルス」を唱えるシーンでは、その強烈な光が彼の目を潰す結果となります。
その一方で、同じ光を浴びたパズーとシータには視力に影響は出ませんでした。
また、ここで興味深いエピソードを一つ。ムスカ本人は映画内で明らかにはなりませんが、実は別の宮崎アニメ、『未来少年コナン』のキャラクター、レプカの先祖であるという設定が存在します。レプカとムスカは見た目も性格も似ており、二人の血縁関係を示唆しています。
またムスカは、シータと二人きりでラピュタに住むと発言しています。この発言は一部のファンからロリコンではないかという声が上がっていますが、その反面でムスカが実は妻子持ちであった、という事実も驚きの一つです。
不思議な力を持つポム爺さんの人間模様
“天空の城ラピュタ”の物語の中で、魅力的なキャラクターとして描かれているのが、ポム爺さんです。登場は僅かながらも、彼の深淵な知識と言葉には、ストーリーへの重要なヒントが隠され、多くのファンを魅了しています。
作中では炭鉱の採掘工であるポム爺さんが、パズーとシータを追い詰めるドーラたちから匿ってくれます。その一方で、彼は「石たちの声が聞こえる」と言っています。実は、彼自身がラピュタの存在を予感していたのです。
冷静さと知識を兼ね備えたその人格は、アニメーター、森康二さんと近藤義文さんをハイブリッドしたものと言われています。
「人前でドギマギして喋れないけど、何か大事なことに気づく人」と宮崎監督に評されたポム爺さんの人間性はは、森康二さんと近藤義文さんの特性を反映していると言えます。世の中で生きていくのが下手だが、石たちの声を聞く能力があるという特殊性は、パズーとシータに大きな影響を与え、彼らの人生を大いに左右します。
ラピュタの設定が影響を受けた作品
「天空の城ラピュタ」の設定は、実は異なる作品から影響を受けている部分があります。一つは、宮崎駿監督が制作を手がけたルパン三世の作品におけるロボット兵の設定です。
『ルパン三世 第二シリーズ』の第155話「さらば愛しきルパンよ」に登場するラピュタのロボット兵と似たロボットが登場します。これは、宮崎監督が同名義で制作に関わったことから、「天空の城ラピュタ」の原型とも言われています。
また、宮崎監督は、「ルパン三世 カリオストロの城」でもメガホンを取っており、ルパンの作品と深い関連を持っていることがうかがえます。さまざまなルパンとの共通点から、「天空の城ラピュタ」の設定が進められたと考えられます。
さらに、「天空の城ラピュタ」の設定に大きな影響を与えたのが、古典的な児童文学「ガリバー旅行記」の一部です。同作の第3部に登場する、科学力により空中を浮遊する「ラピュタ」という島の設定は、「天空の城ラピュタ」の企画段階でそのまま取り入れられ、ここにも影響を受けた作品として挙げられます。
このように、「天空の城ラピュタ」の設定は、宮崎駿監督の既存作品だけでなく、「ガリバー旅行記」の空想的な要素を取り入れ、幅広い作品から影響を受けて誕生しているのです。
日本のアニメタイトルと海外のタイトルの違い
『天空の城ラピュタ』のタイトルは日本ではそのまま使われていますが、海外では少し異なります。特に、ヒスパニック系の人々が多く住むアメリカ合衆国では、「ラピュタ」という単語がスペイン語で不適切な言葉という意味を持っているため、「キャッスルインザスカイ」、つまり「空の城」というタイトルに変更されています。
こうした言葉の解釈には文化的な背景や習慣も影響しており、日本のアニメが海外でも受け入れられるように、各地の文脈を考慮した翻訳やタイトルの調整が行われていることがわかります。また、この事例からも、映画やアニメのタイトルがその作品の世界観や表現をどのように伝えるか、またそれが視聴者の受け取り方にどう影響するかを学ぶことができます。
したがって、国内外で受け取られる映像作品の翻訳やタイトル変更は、単に言葉を変えるだけでなく、作品の意図や背景、そして視聴者の文化的なニーズを理解することを必要とします。
ラピュタの音楽に影響を与えた人について
『天空の城ラピュタ』の音楽は、宮崎作品のなかでも特に人気があり、その広がりと包容力は視聴者を深く作品の世界に引き込みます。そんな音楽を手がけたのが、久石譲さんです。彼はスタジオジブリ作品を代表する存在となり、その多くの作品で音楽を手がけています。
しかし、実は久石譲さんを音楽担当として選んだのは宮崎駿監督ではなく、ある意外な人物だったことをご存知でしょうか。それはスタジオジブリのもう一人の巨匠、高畑勲監督だったのです。高畑監督は音楽の指揮も担当し、音楽に対する独自の見識とこだわりを持っていました。
『天空の城ラピュタ』の主題歌として有名な「君をのせて」も、そのメロディーは久石譲さんが作り、歌詞の最終的な完成を高畑勲監督が手掛けました。宮崎駿監督から渡されたメモを元に、高畑監督がひとつひとつ丁寧に形にしたのです。そのような作業の裏では、時には高畑監督がメインのコンポーザーのように動き、曲の進行を細部まで見守ることがありました。
そのように深く関与しながらも、高畑勲監督は自分の名前を曲の情報に一切載せることはありませんでした。「君をのせて」の作詞は宮崎駿監督とクレジットされていますが、その裏には高畑勲監督の情熱と努力が隠されているのです。この事実を知ると、”天空の城ラピュタ”の音楽がさらに深みと色彩を増すことでしょう。
終わりに
以上、「天空の城ラピュタ」に隠された裏設定とトリビア、そしてその解説をお届けしました。文章だけでは伝わらない、映画の緻密な描写や設定の豊かさ、そして映画を支えた人々の情熱は、作品を再視聴することでより深く感じ取れるでしょう。
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ジブリ作品が語られる裏設定やトリビアはまだまだ沢山あります。共有した知識がジブリ作品を見る視点を新たにし、さらなる理解や愛縁を深める一助となれば幸いです。その他の作品に関する話も進んでご紹介したいと思いますので、是非お楽しみに。
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それでは、皆様がジブリ作品と共に素敵な時間を過ごせますように。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。